Las Aletas Buleriadas

魚好きと釣り好きの狭間で。渓流と南の島のルアー釣りetc.

Bluefin trip 2019 春 その2 ロッド選びについて

 

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 SnowBee 10000 Deep Blue "Tarpon Inshore" Spinning Rod

 

南の島でカスミアジを釣るためのロッド選びについて。

 

まず欲しい条件としては、仕舞寸法がケースを含めて100cm以下である事。遠征に行くたびに長尺物の超過料金を取られたらそのうち商品代を上回ってしまう。ジェットスターで往復したら超過料金は1釣行に4000円は必須となる。これは大きな出費だ。ANAやJAL、スカイマークのような航空会社であればこうした超過料金は気にせず、しかもロッドケースに入れなくても航空会社の方でハードケースに梱包してくれるので何の心配もないのだが、LCCを使うのであれば常にこの超過料金の問題がついて回る(荷物料金もろもろ含めてANAやJALの方が安ければ自分は迷わずそちらを選択する)。

あるいは特に海外の航空会社によっては長尺物自体が搭載不能という場合も起こり得る。特に海外の南の島でのビッグゲームの釣りにはそのリスクがあるので、国内の釣り具メーカーはビッグゲーム用のパックロッド(トラベルロッド、ポータブルロッドと呼称が各種ありその定義も各社で用意しているであろうが、このブログではパックロッドと呼ぶ)を用意している会社が数社ある。100cm以下の仕舞寸法ロッドの一例を挙げると、

 

ソルティガエアポータブル..C85クラスで仕舞寸法97cm

http://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/salt_rd/saltiga_ap/index.html

・キャタリナエアポータブル…C83XHSで仕舞寸法97cm

http://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/salt_rd/catalina_ap/index.html

・ゼナック・エクスペディション…8フィート3インチの2モデルで仕舞寸法87~90cm

https://zenaq.com/rod_zenaq/exp/exp.html

・テンリュウ・スパイクトラベル…8フィートで仕舞寸法93cm

https://fishing.tenryu-magna.com/offshore/spike_travel.html

いずれもオフショア用に設計されたものだ。なので長さも8フィート~8.5フィートが最長モデルとなっている。

ショアでやるなら堤防のように8フィートでも可能な場所はあるし、それこそ昔は8フィート6インチのベイトロッドでリーフで遊んでいたけれど、キャスタビリティや魚とのヤリトリ、磯で立つ場合のポジショニング・安全性を考慮するとできれば10フィートは欲しい。

 

なのでショア用で10フィートとなると3ピースにしてしまうとケースを含めた仕舞寸法が100cmを超えてしまう。シマノのコルトスナイパーなんかはかなり惜しい線をいっている。バニラエアのみ利用するならS1000XH-3モデルが仕舞寸法106.7センチなので追加料金なしの範囲内になる。キャストウエイト100gまでなので中~大型のカスミアジなら場所さえ選べば何とかなるだろう。

http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/3846

 

 

※ちなみにバニラエアは2019年8月31日で成田~奄美路線が終了し、以降はピーチアビエーションになる。ピーチでの遠征はまだ利用したことがないので詳しく述べられないが、オフィシャルサイトを見る限り、シンプルピーチを選ぶと受託手荷物は1件あたり1600円かかるようだ。

 

遠征には多くのロッドを持って行けないし遠征中に破損してしまっては途中で遠征が強制終了される危険を孕んでいる。なので上記のメーカー品なら比較的そのあたり大丈夫だと思うのだが、いかんせんショア用に使いたい目線からみると帯に長し・・でどれも惜しいのである。

欲しいスペックは何を対象魚とするかで変わるけど、少なくとも南海の磯でのルアーゲームは想像以上のサイズの魚が食う可能性がある。5キロの魚まで釣れたらいいや、と思ってポッパーを投げていても20kgの魚が水面にドーンと出て針に掛かることもあるし、この釣りをする以上、掛かる魚のサイズは選べないという風に意識しておいた方が良い。なのでロッドに対して求めるのは操作性やキャスタビリティの高さもさることながら、しっかり魚を受け止められるバッドパワーが無いと話しにならない。

かといってGT専門に狙うようなガッチガチのロッドだと小型~中型魚の釣趣が欠ける。このあたりのさじ加減が難しいのだけれど、大まかな目安としてキャストウエイトが100gまで背負える竿なら10kg程度の魚は何とかなるだろう。これから更に突っ込むと、釣り上げたあとにリリース可能なヤリトリができるか否かという点でも竿の選び方は変わってくる。特に南海の釣りで巨大魚を釣ってしまったらその責任はアングラー自身が持たなくてはならない。どんな魚を釣りたいのか、目安とするサイズはどのくらいか、竿に余裕があるのか、釣った後にどうするのか・・・竿を一本選ぶにあたって考える要素は多いし、フルオーダーメイドのように理想とする竿が無い以上は、妥協点も含めて自分自身の考えを収斂した一本を選ぶべきだと思っている。

 

ということもあり、国内のロッドの選択肢の少なさ(もっとも、需要の少ないマニアックな釣りなので仕方ない部分もあるが)に自分の求める竿を選びきれず、海外のロッドを調べ漁っていたところ面白そうな竿を見つけた。

http://www.snowbee.co.uk/sea-predator/deep-blue/

 

4ピースで9フィート。ガイドはチタン。100gまで背負える。しかもオシャレなハードケース付き。リールシートもALPS社製の近未来的なデザイン。

日本でこれを使っている人はそうそういるまい・・・と思うと所有欲に火が付き、価格を見るとメーカーの公式価格で259スターリング・ポンド。年平均をおよそ145円とみると、37000円くらいか。長さはできれば10フィートを欲しかったけれど、以前使っていた8.6フィートの竿より気持ち長い分、まだマシだろう。

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スノービー社製 ディープブルー”ターポン・インショア” 9ft.



 

釣り人の感覚というのは恐ろしいもので他のメーカーの高い竿を見ると3万円台だと非常に安く感じてしまう。ましてやペイパルやクレジットカードがあればボタン一つで決済できるので大枚をはたいている罪悪感がない。実際に商品を見てもないし使ったこともないのにだ(・・・!)

LCCの追加料金2000円だけで長文をずらずらと書くのに、こういう時に限っては成金のように即決してしまう。

 

が、海外で海外する際は国内で価格ドッドトコムを見て最安値を探すのと同様、実売価格を調査しないといけない。グーグルにロッドの正式名称を貼り付け、候補に挙がる通販サイトや画像検索で出てくる通販サイト、Shoppingの項目もチェックして最安値を探す。なおかつ国際発送もしている店であるのが条件だ。

そのなかで2軒安いところを見つけた。1軒目は国際発送の料金が分からないのでメールで尋ねてみたがスルーされる(現在半年以上たっているが返事は来ない)2軒目は165.83ポンドで売っていて、カートに入れてみると国際送料は36.96ポンドと自動計算されて出てきた。長尺物なのでイギリスからの送料を考えると4~5000円はかかると思っていたので妥当な値段だ。

よし、あとはポチるだけだ。

と思ったがここでもう少し用心深くなくてはならない。グーグルでそのショップのレビューをチェックし、なおかつ実在する店舗なのかどうかもストリートビューで調べる。

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拡大して看板の文字を見てみると・・・ここだ!

そうしていると自分がこれから買う竿がまだ訪れたこともない異国から来るのだなという感慨にふけってしまう。

2週間後には欲しいので無理は承知で店主のマルコムさんに挨拶がてら到着予想日を訊いてみると、「あぁ、運送会社のページによれば9~12日で着くよ」ということで、荷物の追跡番号を教えてもらった。その番号をグーグルに張り付けるだけで追跡サービスのサイトが表示される。便利な世の中になったねぇ。

果たして竿は予定通りに日本に着いたわけだが、それまで毎日何回も追跡ページを見ては更新されないか期待していた。海外通販の楽しみはここにあると思う。国税交換局から発送されたらもうゴールは目の前だ。最寄りの営業所まで取りに駆け付けたい気分になる。

今回の竿は3万円を超えていたので関税の課税対象になった。竿の受け取り時に1000円か2000円くらい払って無事に買い物が終了した。

となるともう満足してしまったのだが、実際はここからが本題。竿の調子やグリップの長さ、ガイドの大きさを確認しないといけない。特にリアグリップの長さはポッピングやペンシルを引く時に、長いと袖に引っかかってアクションの妨げになってしまう。商品画像を参考に縮尺比率を計算して想像するしかない。

自宅の天井にティップを当ててみる。…思ったより竿が入る。そしてグリップも肘より5cmくらい長い。若干気にはなる。

ガイドやリールシートのパーツ周りは綺麗に仕上がっている。バッドの刺繍が昔のスゥエルズのスタンディングロックとかにあるようなパターンで胸が熱くなった。

ターポン用ロッドということもあり、曲げて獲る竿なのかな。カスミアジみたいに瞬足で根に潜る魚相手に曲がる竿は正直言って不利に働くことがある。バッドパワーがあれば、曲がりは釣り人側にポジショニングの安定性や疲労感の低減など有利に働くこともあるし、しかも個人的には曲がる竿は釣趣の点から好きなので歓迎したいところ。曲がるというより入る、という表現のほうがいいかな。

いずれにせよ魚を実際に掛けてみたい。南島釣行、2018秋の陣まで残り数日を切った。

 

※次の記事では実釣からのインプレを書いてみたい。2018年の釣行記になるので過去に遡るけれどご容赦を。